『ヒヨコのキモチ』

  こちらは、エーサン新婚物語の頁です。
  エースは婿養子となり、バラティエでサンジと新婚生活を送っています。
  海賊ベースの新婚さんをお楽しみください。



「カボチャと柚子風呂」

         
「いい香りがする」
  バスタブの縁に顎を乗せてぼんやりとしているサンジに、しゃがみ込んだエースが顔を寄せて囁いた。
「寄るな。魚臭い」
  すかさずエースの頭を押しやり、サンジは舌を突き出す。
甘い時間 「……腰が怠い」
  怒ったようにサンジが告げる。
「怠くて、痛くて、思うように体が動かねぇ」
  ギロリと剣呑な眼差しでサンジはエースを見つめた。

「Kiss in the Dark」

    
  唇をあわせると、すぐにサンジの舌がエースの口の中に潜り込んできた。舌を絡め、音を立てて唾液を吸い上げてやると、サンジの膝が誘うようにエースの膝にすり寄せられる。

「LOVEがたりない」

    
「──何も」
  掠れる声で、サンジが告げる。
「何も、しなくていい。ただ、ラヴが満たされればそれで充分なんだ」
  そう言ったサンジの唇は、躊躇うことなくエースの性器を口に含んだ。

ハロウィン・ナイト
「トリック・オア・トリート……って言ったら、何をくれる?」
  もう、甘いお菓子はひとつも残っていない。
  エースは何をくれるだろうか?

「雪の花びら」

    
  厨房に入った途端、風邪っぴきはお断りだと蹴り出された。
  さすがのサンジも今日ばかりは文句を言うことができなかった。体調を崩したのは自分の責任だ。厨房に入ることができなくても仕方のないことだろう。

「ロマンチック未満」

    
「……エース?」
  声をかけると、ふわりと抱きしめられ、首筋に唇を押し付けられる。
「疲れただろ? 大変だったな、このひと月」



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