『懲りない二人 3』



「ごっ…──」
  震えて裏返った声は、ウソップのものだった。
  あまり目立たない地味なネズミ色のコートにはフードがついており、一見したところウソップとは思えない、不審な格好だ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」
  両手を顔の前で合わせ、ウソップは謝り始めた。
「ごめんなさい。許してください、もうしません!」
  悲鳴のような声でウソップが言い放った瞬間、ゾロの刀がぎらりと反射光を投げかける。
  ゾロの顔はちょうど影になっていて、表情を見ることができない。怒っているのは確かだったが、それがどの程度の怒りなのか、ウソップにはわからない。
「ひぃぃっ!」
  ウソップが叫ぶと同時にゾロは腕を振り払った。
  刀身が陽炎のようにゆらめき、ウソップの身体が大きく宙を舞う。斬られたわけではない。柄の部分で殴り飛ばされたのだと気付いたのは、身体が宙を舞ってからのことだ。
  部屋を横切り、サンジが身体を投げ出しているベッドへと、ウソップの身体は飛び込んでいく。ウソップの声を耳にしたサンジは、一度は身体に走った緊張を解き、ベッドにうつぶせになっていた。そこへウソップがのしかかってきたのだ。いや、正確には投げ飛ばされてきたのだが、どちらにしてもサンジの怒りを買うことに違いはなかった。
  油断していたサンジの裸の背に、ウソップの身体がどさりと落ちてきた。
「うげっ……」
「ぐえぇっ」
  二人は同時に情けない声をあげ、すぐさまウソップはベッドの上に起きあがろうとした。が、投げ飛ばされた衝撃が大きかったのか、なかなか立ち上がることができずにいる。
「いててて……わ、悪りぃな、サンジ」
  脂汗がウソップの背をたらりと伝う。
「こンの……クソ野郎!」
  すかさずサンジの蹴りがウソップの腹に入った。ドカ、という小気味のよい音がして、再びウソップは部屋の外へと飛ばされる。蹴り上げられたウソップの身体は部屋の外側の壁にぶち当たり、ずるずると床へとずり落ちていった。
「誰に頼まれたのか、だいたいの察しはつくが……今度、俺たちの後をつけてみろ。その口が二度と嘘をつけないようにしてやるからな」
  冷たくそう言うとゾロはドアを閉めた。
  ウソップの鼻からは、鼻血が一筋、垂れ出していた。



  ゾロが部屋の中に向き直ると、サンジはベッドの上で大の字になっていた。今の一件で疲れがどっと出たのか、うとうととしかかっているようだ。
「まったく、ろくでもない連中だな」
  呆れたようにゾロは肩を竦める。
  どうせ、ロビンかナミのどちらかがウソップを脅しつけ、もしくはなだめすかして、その上でゾロとサンジがどこに行くのか尾行させたのだろう。理由はよくわからないが、そんなことを企むのはあの二人ぐらいしか思い当たらない。ゾロとサンジがこういった身体の関係を持つようになってから、あの女共は何やらこそこそとするようになった。どうやら、ゾロたちが何をしているのかが気になって仕方がないらしい。今回のことは結果として女性二人のお気に召したかどうかまでは知らないが、こうなることを見込んでの人選だったような気がしないでもない。
「そうだなあ……」
  と、サンジ。
  くぐもった声は眠たげで、どこか間延びしている。
「おい、寝るのか?」
  ベッドに戻ったゾロは、サンジの金髪を優しく梳いてやりながら尋ねた。
「うん? まだ……もう一回ぐらいは、できるだろう?」
  どろんとした眼差しでサンジが返す。
  ゾロはそんなサンジの背に、唇を落とした。
  時間ならまだ、ある。
  ゴーイング・メリー号に戻るまで、もうしばらく、甘い時間を二人で過ごすことができるはずだ。



  ベッドの上で四つん這いになったサンジは背後から犯された。
  痛いほどに硬く大きくなったゾロのものに貫かれ、声が枯れるまで喘がされた。
  四肢の力が抜けてベッドの上にぐったりと沈み込もうとするとはゾロの筋肉質な腕に抱え直され、散々揺さぶられた。先程、邪魔が入ったためだろうか、ゾロの神経はいつも以上に高ぶっているようだ。
  ゾロはしつこいほどにサンジの股間を指でまさぐり、わざと湿った音を立てた。喘ぎ声と、淫猥な音と。くちゅり、と割れ目に滲む精液を塗り込められ、サンジの腰が大きく揺れた。
「あっ、ん……」
  慌てて声を押し殺そうとしたが、間に合わない。乱れた息の下、からからに乾いた喉が焼け付くように痛い。
「なあ、こうされるのがいいんだろう?」
  言いながらゾロの指が袋を揉みしだき、もう一方の手で根っこのあたりをきゅっ、と締め付けた。
「ひっ…ぁ……んんっ……」
  ドクン、ドクン、とサンジのものが脈打っている。
  根本を抑え込まれたまま、サンジは身体を引き寄せられた。ゾロの腕がサンジの華奢な腰を抱えると、一瞬、身体がふわりと浮き……足を投げ出したままでサンジは、ゾロの上に座り込むような体勢を取らされた。
「ああ……あ……」
  背をゾロの胸に預ければ自然と後孔が収縮を繰り返し、身体の中にあるものの形がはっきりと感じ取れた。内壁を擦り上げる瞬間の圧迫感や硬度までもがリアルに感じられ、そのことに気付いた途端、サンジの耳たぶから頬にかけてがカッ、と熱くなった。
「動けよ」
  ゾロが、サンジの首筋に舌を這わせながら低く言う。
「んっ、ふ…ぁ……」
  もぞもぞとサンジが動くと、それにつられて内部を苛んでいるゾロのものがよりいっそう強く内壁に押し付けられた。
「……いっ……あ……」
  前と後ろを同時に刺激されるような形になってしまったサンジは、ゾロの腕につかまって両腕を突っぱねた。自然、ぐい、と腰をゾロの腹に押し付けるような格好になり、さらに深いところを抉られた。俯くと、股間をもてあそぶゾロの指が卑猥に蠢いている。
「は…っ……ん」
  もう、何がどうなっているのかもわからないぐらい、サンジの頭の中は真っ白になっていた。
  あまりにも刺激が強すぎて、思考力がついてきてくれないのだ。
「イッてもいいか?」
  ゾロが訊ねた。
「いい……いいから、早く……──」
  ゾロの腕を掴むサンジの指に、力がこもる。
  焦らすようにゾロはサンジのペニスを根本から握り締め、小刻みに手を上下させた。亀頭の部分で輪郭をなぞるように握り締めた手をスライドさせると、ビクビクとペニスが大きく震えた。最後の仕上げとばかりに手のひら全体で竿を扱き上げると、素早くゾロは、手の中からペニスを抜いた。
  サンジのものから白濁した精液が溢れ、腹や陰毛に飛び散った。それと同時にサンジの尻の筋肉もきゅっ、と締まった。
「動くなよ」
  サンジの耳元で、ゾロが言う。掠れた声に余裕はなく、苦しそうだ。
  放心状態のままサンジが微かに頷く。
  ゾロはサンジの腰を両手でしっかりと固定すると、力任せに揺さぶり始めた。






To be continued
(H15.12.27)



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