『Oneness』
ゆっくりと、エースのペニスがサンジの中を犯していく。
ズチュ、と音がして、サンジの内壁を圧迫するほどのものが潜り込んできて。指とは違う質感に、サンジの背が大きくしなった。
「ぅあ、あぁ……」
腰を捻り、精一杯腕を伸ばすとサンジは、エースの頬に触れた。すぐにエースの唇が、サンジの指に優しく触れてくる。甘噛みされる指先に痺れが走り、それさえもが快感となってサンジの体を駆け巡る。
「苦しいか?」
耳元に囁きかけると同時に、エースはぐいぐいと腰をおしつけていった。肉のぶつかる湿った音がして、必死になって息をしようとするサンジの口の端から、ポタポタと涎が落ちる。
「ヒッ……」
不意に喉の奥から声が洩れ、空気を求めてサンジが口を開けた。エースの熱に浮かされて、サンジの頭の中が真っ白になっていく。
犯される痛みと、躰の奥から沸き上がる快感と、熱。
誰かとひとつになるのではなく、自分の中に奪い取る幸せを感じて、サンジは体を震わせた。
「ん、んっ……」
無意識のうちに口を閉じようとして、ガリ、と何かを噛んだ。真っ白な頭の中でサンジは、それが何かを考えようとする。あの感触は、知っている。血の味だ。口の中いっぱいに広がった血の味に、微かな吐き気を覚えたものの、一瞬の後にはサンジは快楽に身を捩っている。
感覚が、体の中の一点に集まっていく。
「──」
耳元に、エースが低い声で何かを囁きかけてきたが、その声ですら、今のサンジには聞こえない。
追い上げるエースの熱に溺れて、サンジは意識を失った。
ベッドの中でサンジは目を覚ました。
エースの腕に抱かれて眠るのも、悪くはない。
いったいどれぐらいの間、こうしていたのだろうか。
もぞもぞと動くと、腰の奥に痺れるような痛みが走る。サンジは口元に笑みを浮かべて痛みを甘受した。
「ん……起きたのか?」
パチリと目を開けて、エースが尋ねた。
「──次はいつ、会う?」
畳みかけるようにサンジが言った。ストレートなサンジの言葉に、エースは大きく笑った。
サンジは、真っ直ぐにエースの瞳を見つめている。
「いつでも」
唇を耳元に近づけ、エースは甘く囁きかけた。
ぐい、とサンジの腰を抱き寄せ、唇にキスをする。
窄まりの奥から太股へと伝い降りてきたものは、サンジが気を失う寸前に放たれたエースの熱だ。気付かれないようにサンジが身を捩ろうとすると、エースの指がいつの間にか窄まりの縁にかけられていた。
「なんで濡れてんの?」
かさついた指先がサンジの中に潜り込むと、クチュ、と音がした。
「ちがっ……これは……」
言いかけたところで体をぐい、と引き寄せられ、サンジはエースの腹の上に馬乗りに乗り上げた。
「別れる前に、もう一回、シテ?」
悪戯っぽく笑いながら、エースが強請る。
ほんのりと顔を赤らめ、サンジは頷いた。
自分からエースの上に腰を落としていくと、太くいきり立ったものが内壁をグイグイと擦り上げていくのが感じられた。
サンジは白い喉を逸らすと、掠れた声で啼いた。
決して自分から濡れることのない部分だが、今はエースの残滓でたっぷりとぬめりを帯びている。
「もっと、会いてえ……」
エースの腹の上で揺さぶられながら、サンジが口走る。
「そうか」
かさついたエースの手がサンジのペニスを包み込み、扱き上げる。サンジの締め付けが強くなり、腹筋のあたりがヒクヒクと蠢きだした。
「あ、あ、あ……」
エースの胸のあたりに手をついて、サンジはキスを強請った。
突き出した舌先が、エースの舌に触れる。ちろちろと動く赤い舌はエースの炎にも似ていた。サンジは執拗にエースの舌を追いかけ、身を乗り出していく。尻をくい、と上げると結合部で湿った音がした。腰を掴んだエースの手がサンジの体を引き戻そうとして力を込める。
「ゃ……!」
白い喉を震わせてサンジが前のめりに体を倒そうとすると、諦めたのか、エースはサンジの体をぐいと自分の胸の中へと引き寄せた。
「あんまり締め付けるなよ」
掠れた声でそう告げると、エースはサンジを自分の体の下に敷き込んだ。
「いつだって、お前が望むなら会いに来てやる」
ベッドに縫いつけられたまま、エースに散々揺さぶられた。
それでも足りないと、サンジはエースの腰に足を絡めた。
キスもしてもらったし、言葉ももらった。それでも、まだ、足りないものがある。
「エース……」
掠れた声でサンジは、エースの名を呼んだ。
「ん?」
優しい顔が、サンジの目を覗き込む。
「中に、全部出せ」
会えなくても、寂しくないように──喉の奥に飲み込んだ言葉をサンジは、胸の片隅に閉じこめた。
END
(H19.12.1)
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