『寝酒 2』
テーブルの上に仰向けになったサンジは、上衣を着たまま足を大きく開かされた。
勃ち上がったものだけでなく、その奥の窄まりまでが灯りの下にさらけだされる。キッチンの照明はそう明るいというわけでもないのに、見上げた灯りはサンジの目にやけに眩しく映った。
「……目、開けろよ」
ゾロが言った。
口元に笑みを浮かべ、ゾロはサンジを見下ろしている。今にも獲物に襲いかからんとする、獰猛な獣のような表情だ。
サンジはゆっくりと目を開けると、片手をゾロの首に回してぐい、と引き寄せた。
「ヤることは決まってんだ。早いとこ済ましちまおうぜ」
ゾロの首にぶら下がるようにして抱きついたサンジは、背中の痛みに耐えていた。
中途半端にテーブルに乗り上げる体勢を取ってしまったため、背中の下のほうにテーブルの端が当たっている。全くの角ではないが、それにしても不安定な体勢であることにはかわりない。腕の力だけでゾロにしがみつきながらも今、誰かがキッチンへやってきたらどうしようかと考えていた。誰かが来るとしたら、まずはルフィがいちばん可能性は高い。皆が寝静まった頃を見計らってキッチンへやってきては、冷蔵庫を荒らしていくのが常だ。あるいは、喉が渇いてコップ一杯の水を飲みに目を覚ましたナミがやってくるかもしれない。
どうしようかと思うよりも先に、サンジの身体はゾロを求めて動いていた。
「んんっ……」
両腕に力を入れてしがみつくと、ゾロの指がするりとサンジの中へと入ってきた。
「う……ぁっ……」
ごつごつとした骨太の指は、サンジのいいところを探るように内壁を擦り上げていく。
ぐに、と挿入された指が内壁を引っ掻きながら半回転すると、それだけでサンジは啜り泣くような切ない声を洩らした。
しばらくそうやってゾロはサンジの中を指で掻き回していたが、やがて指を引き抜くと、ごそごそとズボンをおろすのももどかしそうに自分のものを引きずり出してきた。
「なあ、このまま挿れてもいいか?」
尋ねられ、すかさずサンジは足を出してしまった。
サンジの位置からは、ゾロの鳩尾のあたりに右足が入った……ように、見えた。感触は確かだった。
ゾロの体躯が吹っ飛び、壁面にドカ、とぶつかる音がした。
「お……悪い」
涙目になってゲホゲホとむせ込むゾロを見て、サンジは気のない言葉をかけた。
「馬鹿か、お前は」
腹を押さえながらよろよろと立ち上がるゾロは下半身には何も身につけておらず、みっともないことこの上ない。
「どうせやるなら、もっとしっかり鳩尾を狙ってくれ」
胃に入ったのだ、サンジの足が。喉元まで込み上げてきた酒をぐっ、と気力で内臓へ押し戻すと、ゾロはぎょろりとサンジを睨み付けた。
「仕切り直しだ」
胃袋の調子が落ち着くのを待ってゾロはそう言い捨てると、サンジの足をぐい、と大股に開いた。三角形のトライアングルゾーンにふーっ、と息を吹きかけられ、サンジは自分のものがピクン、と震えるのを感じた。
ゾロの指がサンジの尻の筋肉をぐい、と押し分ける。後ろの窄まりに、生暖かいものが押しつけられ、ぐい、とねじ込まれる。
「あっ……」
ねじ込まれた舌がサンジの入り口を押し分け、浅いところで蠢いていた。
奥まで届くようなものでもなく、そのくせ内壁を這い回るそのざらりとした感触に、サンジの入り口がきゅっ、と収縮を繰り返す。
「飢えてるな」
鼻先で笑いながら、ゾロは言った。
窄まりにかかる吐息ですら、サンジには快感を呼び起こした。ゾロの舌が抜かれると、飲み込むものを求めてサンジのその部分はヒクヒクとなる。たらりと中から零れ出たものは、ゾロが流し込んだ唾液だった。
ゆっくりとゾロが中へ入ってくる。
サンジの片足はゾロの肩に担ぎ上げられている。ゾロが動くと、サンジの内壁がひきつれてきゅっ、と締め付ける。そんな感覚までもがリアルにサンジの内部に伝わってきている。
「……灯りの下でするってのも、いつもと違ってていいもんだ」
耳元でゾロが囁くと、サンジは軽く睨み付けた。
ゾロが動くたびに、担ぎ上げられたサンジの足がずってくる。そのたびに行為が中断され、何度目かに足がずり落ちるとサンジはそのまま足をゾロの腰に絡めた。
「積極的だな」
にやにやと笑ってゾロが言う。
そのまま何度か奥を突き上げられると、いよいよ二人の腹の間にあったサンジのものが先走りの液でヌルヌルとしてきた。
「ぁ……あっ、ゾロ……」
うわごとのようにサンジが口走る。
内壁を擦り上げるゾロは、容赦なくサンジの中を突いてくる。その衝撃と、擦り上げられる時の筋肉の収縮がサンジにあられもない声をあげさせる。
「待て……待てよ、抜くなよ、中で……」
荒い息の合間にサンジは、そう言った。
to be continued
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