目が覚めるとジョットがいつも以上に甲斐甲斐しい。何をやらかしたのかと怪訝そうに眺めていると、まだベッドでだらだらと惰眠を貪るGの目の前に朝食を運んできた。
「朝食だぞ、G」
艶めいた声をかけられ、Gは顔を上げる。
何を企んでいるのだと問い詰めれば、恋人は臆面もなくさらりと言ってのける。
「なに、きょうは世間で言うところの『いい夫婦の日』だからな、少しばかり気合いを入れてみただけだ」 そんなふうに返したジョットにGは、今夜は少しばかり気合いを入れてお返しをしなければと思うのだった。
(2017.11.21)
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