背後からズプリと挿入され、獄寺は背をしならせた。
思わず悲鳴のような声を喉の奥から洩らす。
途端に、自分の手よりも一回りほど小さな手に、口を塞がれた。
「んっ……んーっ、んーっ!」
手のひらが獄寺の口元を覆い、皮膚が唇に触れてくる。この手を自分は、知っていると、獄寺は思った。 そして、たった今、自分の下肢を犯している人の熱も優しさも、嫌というほどよくわかっている。
体の中に穿たれた竿は熱くて、ただ闇雲に獄寺の体を傷つけるばかりなのに、それでも嬉しいという感情が獄寺の中にこみあげてくる。
そのことに対して獄寺は、驚きを隠せないでいた。
(2013.10.30)
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