夕暮れの茜色は優しくて、少し物悲しい空気を運んでくる。 いつもの四つ辻で「じゃあ、また明日」と言って手を振る瞬間の獄寺くんの少し寂しそうな表情を目にしてしまえば、それも言い出しにくくなる。 だから今日は、あともう少しだけ。そう思ってオレは、さよならの言葉を飲み込んだ。