「所有される歓び」

「オレの右腕は隼人だけだよ」
  そう言って綱吉さんは、俺の乳首に消毒済みの太い針を突き立ててくる。
「んっ……く、ぅ……」
  ズキズキする痛みをこらえて、俺は綱吉さんの手元を見た。鮮やかなエメラルドの石がついた小さなピアスを手に取り、綱吉さんはやわらかな笑みを口許に浮かべている。
  痛みに顔をしかめる間もなく、綱吉さんが手にしたピアスを俺の乳首に突き刺す。
「ほら、これでもう隼人はオレのものだ」
  そう宣言した綱吉さんが愛しくて、俺は微かに頷いた。
  俺は、綱吉さんの、もの。
  所有される歓びに、俺の身体はうち震えていた。



(2017.8.15)



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