背後の綱吉が、スラックスの中から硬く張り詰めたものを取り出す気配がした。
トロトロに溶けたハルの蜜壷に、綱吉の性器が押し当てられる。
「あぁ……」
また、ハルの唇から甘い声が洩れた。
先走りで濡れた綱吉のペニスが、蜜壷の入り口を押し広げるようにしながらゆっくりとハルの中に入ってきた。
「あっ、あ……熱い……ツナさん……熱い、です……」
洗面台にしがみつき直そうとしたハルの手が、ハンドソープのボトルを払いのける。ボトルはカラカラと音を立てて床の上に転げ落ちた。
ハルの手を縫い止めるように、綱吉の手が重なった。
「ツナさん……」
はひっ、と小さくハルが喘ぐと、うなじや背中に綱吉の唇が押し当てられた。チュ、チュ、と音がして、時折、肌を吸い上げられる。
綱吉は、下から掬い上げるようにして腰を動かした。グチュグチュという湿った音がハルの耳にやけに大きく響き、それがさらに羞恥心を煽った。蜜壷の奥、ハルがもっとも快楽を感じるあたりを執拗に突き上げ、責め立ててくる。
「や……っ、ぁ……」
洗面台に上げた足が痛かった。
背後の綱吉からは、ハルの蜜壷が見えているかもしれない。綱吉のものが押し込まれ、ズルズルと抜き出されていく性器が見えているとすれば、愛液でドロドロになったハルの蜜壷も見えているだろう。綱吉の楔によってぐじゅぐじゅに溶かされたハルのそこは、綱吉の目にはいったいどんなふうに映っているのだろう。
「き……嫌い、です」
掠れた声でハルが呻いた。
「今日のツナさんは、嫌いです。こんなの……っ」
ハルの太股が震えて、中に潜り込んだ綱吉の性器を締めつけた。途端に、ハルの腹筋がきゅっと痙攣して、さらに綱吉の性器を包み込む。
「嫌いじゃなくて、好きなんだろ?」
優しい声がハルの耳元に囁きかける。
「このまま、中に出してもいいよな?」
ゆるゆると腰を揺さぶられ、ハルは肩で大きく喘いだ。
「ダメっ……ダメです……」
「本当に?」
不意に綱吉の手がハルの手から外された。胸へと回った綱吉の手はハルの乳房をやや乱暴に揉みしだいた。そうしながらも、意地悪く腰を大きく突き出してくる。
「あ、あぁ……っ」
ダメ、と口走りながらハルは、軽く達していた。
胸を揉む綱吉の手を掴むと爪を立て、背を逸らす。鏡の中のハルの胸が大きく揺れている。綱吉の手からこぼれそうなほど大きな胸だ。
大きな手が、ハルの胸をやわやわと揉んでいる。てのひらに擦られた乳首が痛いほど凝っている。
「も、ダメ……っっ!」
ハルの頭の中が真っ白になって、太股がふるふると震えた。綱吉の手の甲に立てた爪で皮膚を引っ掻くと、蜜壷の中を激しく掻き混ぜられた。
焦れったいような、このまま終わってほしくないような気がした。それでもハルの体は絶頂を求め、綱吉の腰の動きにあわせて蠢いている。
ズン、とひときわ大きく綱吉がハルの中を突き上げた。少し遅れてハルも、ふわりと体が浮くような感じがして、イッていた。
「ひ、ぅ……」
蜜壷の奥に叩きつけられた熱い迸りが、ハルの中を満たしていく。
綱吉の白濁を体の中に感じながらもハルは、鏡の中の自分を見つめていた。
クチュ、と耳の中で湿った音がした。綱吉がハルの耳の中に、舌を差し込んできている。 首を傾けるとハルは、甘えるように綱吉の胸に瀬を押しつける。
「こんなところでするなんて……ツナさんは、意地悪です」
ようやく息が整ってきたところでハルは、一気にまくし立てた。
まだハルの中に残されていた綱吉が、竿を抜き出そうとする。
「ん……ぁ」
洗面台に体を押しつけられたかと思うと、綱吉の性器がハルの中からズルリと抜け出ていった。
「……や」
慌てて足を閉じようとしたが、綱吉の手が、洗面台に上がったままの片足をぐい、とそのまま固定した。
「ほら……すごいよ、ハル。ヒクヒクしてる……」
穿たれていた綱吉のものがなくなると、すぐさまハルの蜜壷は収縮して、つい今しがたまで中に潜り込んでいた楔を求めてヒクついた。中から、綱吉の放ったものが溢れ出しそうになり、ハルは必死に太股に力を入れようとする。
「綺麗だね、ハルのここ。ピンク色で、柔らかくて、あたたかい」
言いながら綱吉の指が、蜜壷のふちにかかる。ぐい、と指を中へと差し込むと、グチュグチュとわざと大きな音を立てながら、ハルの中を掻き混ぜ、自らが放ったものを掻き出そうとする。
「やめて……もう、ツナさんたら。やめてください!」
蜜壷から掻き出されたものがトロリと溢れ出し、ハルの太股を伝い下りていく。
洗面台に這いつくばったまま、ハルは啜り泣いた。
「……ごめん」
ちょっとやりすぎた、と、綱吉は正直に謝った。
それからハルの体をくるりと自分のほうへと向き直らせると、洗面台に腰かけさせる。
「ごめんな、ハル。オレ、明るいところでハルの裸を見るのが初めてだから、ちょっと浮かれてたみたいで」
そう言って抱きしめてくる綱吉の腕は優しかった。
「ツナさんは服を着たままなのに、ハルだけ裸だなんて。恥ずかしくて、死んでしまいそうでした」
恥ずかしくて、そして気持ちよかった。いつもよりも何倍も、何十倍も気持ちよかった。 「ごめん、てば」
さっきまではあんなに強引だったのに、今はもう、いつもの綱吉に戻っている。それが少しだけ残念でならない。本当は、あんなふうに強引に抱かれたいと思ってたのだ。だが、こんなふうに明るい場所で抱かれることになるとは、思ってもいなかった。
「シャワー浴びたばかりだったんですよ」
ぷう、と頬を膨らせてハルが言うのに、綱吉は「ごめん」とまた謝り、頬にキスをした。 「じゃあ、今から一緒にシャワー浴びる?」
耳元で、まだ掠れの残る声で綱吉が尋ねてくる。
ハルは綱吉の腰に両足を絡みつかせ、悪戯っぽく笑った。
「まずはベッドに連れていってください、ツナさん。それから今みたいなのをもう一回してから、その後にシャワーがいいです」
言いながら、ハルの頬がだんだんと熱くなってくる。きっと顔が真っ赤になっていることだろう。
「あー……うん」
ハルの唇にチュ、とキスをしながら綱吉は、その場で着ていたもの脱ぎ始める。
それからハルの体を抱き上げて、寝室へと向かう。
「……今度は、意地悪しないでくださいね」
ハルの言葉に綱吉は、優しく頷き返した。
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