「ひっ、ぅ……」
太股が震えて、全身が甘い痺れに包まれる。
「ダメ……も、ダメ……」
はあ、と綱吉が息を吐き出すのにあわせて、綱吉の中に太い楔がねじ込まれた。
熱かった。火傷しそうだと綱吉は思う。こんなに熱いものを自分の中に受け入れ、気持ちよくなる自分はやはりおかしい。いつもならもっと時間をかけて丁寧に解され、たっぷりと濡らしてから挿入されるのに、今日は手順が違う。
ぼんやりと霞がかったような頭では、考えがうまくまとまらない。考えるかわりに綱吉は、獄寺の背中に腕を回してぎゅっとしがみついた。
「ん、んっ……!」
体が震えるのは、獄寺の熱を感じて腹の底が熱く燻ってきたからだ。
「獄寺君……」
名前を呼ぶと綱吉は、獄寺の二の腕にかぷりと噛みつく。
「んっ……ん、ん」
ぐちゅっ、と湿った音がして、綱吉の体のより深いところへと獄寺の性器が潜り込む。
「……すごく熱いっスね、十代目の中」
耳元に囁きかける声が、どこか遠くから聞こえてくるような感じがする。
「熱い……オレも熱いよ、獄寺君」
うわごとのように綱吉がたどたどしく告げるのに、獄寺は唇を軽く吸い上げた。
「大丈夫ですよ、十代目。すぐに気持ちよくなりますから」
それだけの言葉だというのに、綱代は酷く興奮した。体が熱くて、全身の感覚が鋭くなっているような気がする。
「ぁ、つ……熱いよ、獄寺君……」
はぁ、と息を吐き出すと、獄寺の唇がチュッ、と音を立てて胸の先に触れてくる。
「ふっ、あ……」
ピクリと体が跳ねそうになるのを堪えて、綱吉はさらに強い力で獄寺にしがみついていく。
「あ、あ……ぁ……」
足を獄寺の腰に絡めると、結合がいっそう深くなる。自分から腰を動かし、獄寺を求めるのもいつもとは違う。
「もっと……もっと奥、抉って……獄寺君!」
くねくねと腰を揺らす自分は、いったいどうしてしまったのだろう。ぼんやりとした頭で綱吉は思う。こんなふうに獄寺を求めることは、滅多にない。余程のことがない限りは……。
「十代目……」
獄寺が、耳元に囁きかけてくる。
「気持ちいいっスか?」
胸の上にポタリと零れ落ちてきた獄寺の汗までもが、気持ちいい。
「ん……いい……気持ちいい……」
引きずり出され、また押し込まれ、綱吉の体の中を出入りしている獄寺の竿が、こんなにも気持ちよくしてくれることが不思議でたまらない。
「中に出してもいいっスか?」
後で綺麗にしますからと、獄寺が慌てて言う。綱吉の頭の中はぼんやりとしていて、今は獄寺の言葉の意味を考えるどころではない。
「んっ……」
律動に合わせて腰を揺らし、足を獄寺の腰に絡め直し、綱吉は必死になって快感を追いかけている。
「あ、んんっ……もっと奥……そこの上……」
獄寺の腕にしがみついた綱吉の手が、爪を立てる。
ギリ、と逞しい腕にしがみつき、綱吉はきつく目を閉じた。眉間に皺を寄せ、息を荒げている。
「ここですか?」
獄寺の性器の先端が、グリ、と綱吉の内壁を擦り上げた。途端に、ビリッと電流のようなものが体の中を駆け抜け、綱吉の体がビクン、と大きく震えた。
「は、んっ……!」
二人の腹の間で、綱吉の性器が震えていた。頭をもたげて先端の割れ目に先走りを滲ませ、ヒクヒクとしている。
「すげ……」
溜息と共に獄寺の呟きが洩れた。
繋がった部分から綱吉の性器までの様子を、獄寺にじっと見られているのだと思うとそれだけで体が熱くなってくる。堪えきれず、綱吉のペニスはヒクヒクと震た。そのうちに、鈴口にぷっくりと先走りが盛り上がってくる。
「あ、あ……」
竿が大きく震えると、先走りがたらりと竿を伝い落ちていく。
「やっ……見る、な……」
慌てて手で隠そうとすると、獄寺の大きな手が綱吉の手と一緒にペニスをぎゅっと包み込んだ。
「いや……ぁ……!」
体を捩り、綱吉が小さな悲鳴を上げた。
「いや? こんなになってるのに、嫌なわけないっスよ、十代目」
切なそうに目を細めて獄寺が呟く。
包み込んだ綱吉の手ごと、獄寺は手を動かした。グチュッ、グチュッ、と湿った音がする。とめどなく溢れてくる先走りは、綱吉の竿や二人の手を汚していく。
「ああぁ……」
啜り泣くような声で綱吉が喘いだ。
リズミカルな獄寺の手の動きと、湿った音。獄寺の粗い息。綱吉自身、もう何がなんだかわからなくなってしまいそうだった。
目の前が真っ白になって、頭の中は獄寺のことでいっぱいになる。
快感だけを追いかけて、必死になって下肢に力を入れてその時を待っている。
「や、あ……も、もっと……もっと、奥……」
必死になって綱吉は、獄寺の手に合わせて、自分の手も動かした。
なまあたたかい先走りの濡れた感触がてのひらに感じられる。力強い獄寺の手が、綱吉の手ごと竿を扱いている。ズチュッ、と湿った音が耳の中に響いてくるようだ。
恥ずかしくて、気持ちいい。知らず知らずのうちに綱吉が体の中に埋められた竿を締めつけると、それを催促と受け取ったのか、獄寺が再びゆっくりと腰を動かし始める。
ズン、と突き上げてくる重苦しい感覚に、綱吉の口がパクパクとなった。だらしなく開いた口の端から、たらりと涎が零れ落ちていく。
「んっ、ふ……ぅ」
綱吉は、全身で獄寺を感じていた。
触れる指の感触も、落ちてくる汗も、繋がった部分の熱さも、中に埋められたものの形も……何もかも全てを、感じている。
「獄寺君っ……!」
声をあげ、綱吉はくい、と背を反らした。
絡みついた足の先までもピンと伸ばすと、獄寺が一際大きく中を突き上げた。
「あっ、ああ…あ……!」
ドクン、と大きく鼓動が脈打ち、綱吉の腹にパタパタと解放された白濁が飛び散った。
と、同時に、獄寺の迸りが綱吉の中を満たしていた。
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