◆2012◆
秘め事は夜明け前に

    
  一瞬だけ戸惑ったように引かれかけた獄寺の指はしかし、綱吉が甘噛みしているだけだと気付いた途端、逆に口の中へと潜り込んでくる。
「ん、く……」
24獄ツナ
Bitter Sweet Love

         
「ただいま戻りました、十代目」
  穏やかな声が、ケットの向こうからかけられた。ケット越しの獄寺の手は、優しい手つきをしている。
24獄ツナ
テスト前の憂鬱

         
「せっかく獄寺君に教えてもらってるんだから、頑張らないとね」
  にこりと笑って綱吉がシャープペンを握り直すのを、獄寺はどこかしら心配そうな表情をして見つめている。
14獄ツナ



◆獄誕(30 Title)◆
「なまごく2」様よりお題をお借りしました
03.あと少し、このままで

         
  男前だなと綱吉はボンヤリと思う。
  薄暗い照明の下で、獄寺の銀髪が光を放っている。指を伸ばして触れてみると、サラサラとして心地よい手触りがした。
14獄ツナ
05.包装紙
(ラッピングペーパー)

    
「ダメ? 本当に?」
  そう言って獄寺は、綱吉のこめかみに唇を押し当てる。
  華奢な綱吉の体はさっきからずっと小刻みに震えている。
24獄ツナ
17.眠れない夜   獄寺とは、中学時代に出会って以来ずっと一緒だ。
  いつも側にいてくれる優秀な右腕の彼に、プライベートでも一緒にいて欲しいとお願いしたのがきっかけで、つきあいが続いている。
24獄ツナ
「23.キスの代償」と連動
23.キスの代償   ホットミルクに口をつけると、甘い香りが鼻をくすぐる。気持ちが落ち着くような感じがして、綱吉は一口、ミルクを飲む。 24獄ツナ
「17.眠れない夜」と連動



◆2011◆
雑食系男子 「離せよ」
  ムッとなった綱吉は咄嗟に告げた。
  睨みつける眼光の強さは本気の獄寺には叶わないが、たまにはこちらが強い態度に出ても構わないだろう。
24獄ツナ
眠くなるまで

    
  チュ、と音を立ててキスをすると、驚いたような表情の獄寺が綱吉を見下ろしていた。
「ダメかな?」
  尋ねると、獄寺は困ったように目をすがめる。
獄ツナ
ホワイトデー
五月の海で追いかけて 「もう、獄寺君。危ないだろ、急に引っ張ったら」
  胸の中で綱吉が、ぷう、と頬を膨らませて抗議の声をあげる。
  獄寺は少しだけ体をずらして綱吉の顔を覗き込んだ。
14獄ツナ
その血が二人を
分かつとしても
  部屋に招き入れられた獄寺は、ドアのところで綱吉とすれ違った瞬間、ほんのりと香る清楚なにおいに体温が上昇するのを感じた。
  同じ男だというのに、不思議なぐらい自分は、綱吉に惹かれている。
24獄ツナ
未来編入ってすぐ
獄寺視点あれこれ
嫌い、嫌いも

         
「オレ、こーゆー…無理矢理っての? ガツガツしてる獄寺君って、好きじゃない」
  だけど、嫌いじゃない。言葉にしては言わないけれど、胸の内でこっそりと綱吉は呟いた。
14獄ツナ
Mint Privacy

    
    
  肌に触れる獄寺の手が、気持ちよかった。
  ひんやりとして、もっと触れていて欲しいと思わずにいられない。
「気持ち、い……」
24獄ツナ
望みのままに 「ダメですよ、十代目」
  軽く咎める獄寺の唇が、微かに綱吉の唇に触れてくる。
「……うん」
ツナ誕
24獄ツナ



◆2010◆
ヴァニラリィ +10

    
「さ……誘ってくださってるんですか、もしかして?」
  躊躇いがちに獄寺が尋ねると、綱吉はムッとして唇を尖らせた。
「もしかしなくても誘ってるんだけどね」
24獄ツナ
5/9配布分
君の欲しいもの   目の前のこの男は、こんな格好良かっただろうか? こんなにも大人っぽかっただろうか? ニヤリと笑う獄寺の横顔に、わけもなくドキドキする。 14獄ツナ
獄誕
甘い蜜

    
  隣にいる獄寺をちらりと見ると、彼も綱吉と同じようにスイカズラの蜜を吸っているところだった。
「甘いね」
  綱吉が言うと、獄寺は照れ臭そうに頷いた。
24獄ツナ
獄誕
二十四歳 「熱は……」
  そう言って獄寺の手が、綱吉の額にあてられる。
「ぁ……」
  どこに視線を定めたらいいのかがわからなくて、綱吉はじっと獄寺の顔を見つめる。
24獄ツナ
ツナ誕



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