どこにも帰さない8


「ぁ……」
  声が洩れた。
  獄寺はきゅっと唇を噛み締めると、鼻腔を大きく開いて酸素を求める。
  くちゅくちゅと湿った音が股の間から聞こえてくる。マスターベーションをするのもシャマルにしてもらうのも、たいした違いはない。自分でするか、してもらうかの違いだけだ。
  シーツにくるまり、息を大きく吸い込んだ。鼻の中に微かに残る綱吉のにおいが、ほんの少しだけ濃くなったような気がする。
  左手で握り込んだ竿を激しく扱きながら、獄寺は右手を尻へと持っていく。時々、溢れる先走りを指に絡め取りながら、後孔の縁をもどかしそうに何度も擦った。
  昨日、シャマルに身体の熱を散らしてもらったはずなのに、綱吉のことを考えていたらまたしても身体が燻り出した。鼻の奥に残る綱吉のフェロモンが悪いのだと、獄寺は思う。甘くて優しいあのかおりが、獄寺の身体を先ほどからずっと苛んでいる。
「んっ、ぁ……」
  小さく口を開けると、涎がたらりと口の橋から零れ落ちた。
  勃起して固くなった竿の先端からはトロトロと先走りが滴り、後ろはヒクヒクといやらしく収縮を繰り返している。
  いつもならそろそろ朝食の始まる時間だが、獄寺の様子に気付いているのか、今朝はまだ誰も呼びに来ない。
  指の先を後孔につぷ、と突き立てると、ざわざわとした感覚が身体の奥に生まれる。入口の浅いところを指で擦ると、もどかしいようなくぐもった熱でいっぱいになった。
「じゅ、ぅ……」
  言いかけて、獄寺は息を吸い込む。
  これまで、数えられないぐらいの回数、綱吉をおかずに自慰行為をしてきた。だが、それは綱吉と離れていたからできたことだ。扉を隔てた向こう側、この屋敷のどこにでも、綱吉の気配はあった。ここは綱吉の屋敷で、自分は静養のためここに滞在しているに過ぎない。
  シーツに口元を押し付け、獄寺はくぐもった息を吐いた。
  わずかに腰を上げると、さらに深いところへ指を押し込む。男の真っ直ぐな筒が、オメガという性によって奥のほうから濡れてきて、しっとりと湿り気を帯びているような気がする。気がする、というのは、正確には獄寺はこれまで、自分から濡れたことがなかったからだ。シャマルの治療の時には潤滑剤を使っていたし、骸の時はあれは無理矢理だった。だから、獄寺はこれまで自分で濡れたことがない。
「んっ、んんっ……」
  腰をくねらせ、尻を前後に揺らしながら獄寺は後孔に押し込んだ指を動かした。何度も、なんども。
  もう少しでイきそうだ。
  さらに大きく腰を動かした途端、ドアをノックする鋭い音が聞こえてきた。
「……ら、くん? 獄寺くん、大丈夫?」
  綱吉だ。
  慌てて起き上がろうとして、指が内壁をぐり、と擦る。予想外に気持ちのいいところを掠めたようで、思わず獄寺は喘いでいた。
「だっ、だいじょ……ぶ……」
  ブルッと身体が震える。放出を遮られた竿が、熱でいっぱいになった。下腹の奥のほうで膿んだ熱が渦巻いている。
「開けるよ」
  そう言うなり綱吉は、さっとドアを開けた。
  獄寺は制止の声を上げることもできなかった。
  ベッドの上でシーツにくるまり、裸で自慰行為に耽る獄寺を見て、綱吉は呆れているはずだ。いや、もしかしたら軽蔑されたかもしれない。
「十代、目……」
  掠れた声で獄寺は綱吉を呼んだ。
  綱吉は驚いたようだったが、眉間に深い皺を刻んだだけだった。何事もなかったようにドアを閉めると、鍵をかける。
  カチャリと響く静かな施錠の音に、獄寺はゾクリと背筋を震わせる。
  綱吉にどう思われただろうか。こんな浅ましい姿を見ても綱吉は、獄寺のことを右腕として……仲間として見てくれるだろうか。
  綱吉の視線から逃れるように獄寺は、目を伏せた。
「発情しているんだね?」
  淡々とした声で綱吉は尋ねてくる。否定できない状況に、獄寺は小さく頷くことしかできない。
  微かに溜め息をつくと綱吉は、獄寺のいるベッドのすぐそばに立った。
「じゅっ……」
  口を開きかけた獄寺の唇に、綱吉の指が触れてくる。
「しーっ」
  静かに囁くと綱吉の手は、獄寺の身体をコロンとベッドの上に転がして、うつ伏せにした。
「発情期のことは知ってるし、どうするのかシャマルからも聞いている。獄寺くんが……その、嫌でなければ……」
  優しい声が背中越しに聞こえてきたかと思うと、大きな手にするりと背中を撫でられた。
「んっ……」
  ビク、と身体が震えるのを、背後の綱吉がじっと見ているのだと思うと、獄寺の肌は恥ずかしさで薄紅色に染まっていく。
「昔から白かったけど……」
  と、綱吉は穏やかに喋りかけてくる。
「よく見ると、小さな傷がいっぱいだね」
  言いながら綱吉の指先がなぞるのは、獄寺の体に刻まれた過去の傷痕だ。何の傷だか忘れてしまったような小さなものまで丁寧に指で辿られ、獄寺はもぞもぞと居心地悪そうに身体を動かした。
「あ……の、俺、男ですけど……」
  言い訳のように獄寺が告げると、綱吉は「知ってる」と返してくる。
「オメガだろうが男だろうが、獄寺くんであることに変わりはないだろう?」
  綱吉の手は、白い背中を何度か行きつ戻りつした。それから、うつ伏せになった獄寺の胸へと手が回された。
  獄寺は唇を噛み締めた。みっともない。そんなふうに思う自分が、哀しくなる。どうしてこんなふうに自分を卑下することしかできないのだろう。
「すぐにすますから」
  優しい声に誘われて、何でも言うことを聞いてしまいそうになる。
  シーツと身体の隙間に潜り込んできた手が肌を辿り、乳首を掠めていく。煽られているのだということはわかっていたが、どうすればいいのか、獄寺にはわからない。ただ、シャマルの治療を意味する行為とは異なるのだということだけは、はっきりと理解できた。
「十代目……」
  声に出して綱吉を呼ぶと、背中に唇が押し当てられた。ざらりとした舌に肩甲骨の窪みを舐め取られ、同時に乳首をきゅっ、と摘ままれた。
「んっ、あぁっ……!」
  ベッドの中で身をのけぞらせ、獄寺は声をあげた。
  もどかしいような膿んだ熱が全身を駆け巡り、下腹へと集まっていく。
  さっきまでの中途半端なマスターベーションのせいで、獄寺の体のそこここには熱がこもっていた。ぐずぐずに熟れてしまうのもあっという間のことだろう。
  綱吉が背中に触れるたびに、獄寺の肌は男の手と舌と、それに彼が身につけている衣服の質感を感じた。獄寺自身は何も身につけていないことが恥ずかしかった。自分の浅ましさを知られてしまうことが、辛くてたまらない。
「もっと腰あげて」
  綱吉の手が獄寺の腰を掴み、ぐい、と引き上げる。ベッドの上で獄寺がもたもたと四つん這いになると、綱吉の唇が労うように腰のあたりに降りてくる。チュ、と音を立てて肌をなぞられ、鳥肌が立つ。
「気持ちいいの? それとも……」
  獄寺の尻たぷを掴んだ綱吉の両手が、肉を揉み込むようにして蠢く。マッサージをするようにぐに、と肉を揉みしだきながら指の腹がきわどいところを掠めていく。
「ふ……ぁっ……」
  腰を揺らしながら獄寺は声をあげた。綱吉の手の動きに合わせて尻を動かすと時々、襞の縁に指が触れる。襞を捲って内側に触れて欲しいと思うのは、いけないことだろうか。
「んんっ……」
  じゅるっ、と音を立てて獄寺は溢れる涎を啜った。
  獣めいた発情期の熱に浮かされながらも、獄寺は綱吉のにおいを求めた。アルファらしいにおいはしているものの、綱吉のにおいはあっさりとしていた。淡く、ほんのりと香る甘いにおいがもっと欲しい。このにおいを肌に纏い、綱吉のものになってしまいたいと思わせるような、そんな渇望を抱かせるような優しい匂いだ。
「じゅ、ぅ……十代目……!」
  焦らされているのだろう、おそらくは。
  獄寺は尻を大きく綱吉のほうへと突き出し、懇願した。
「挿、れ……」
  ああっ、と獄寺は切ない声をあげたが、綱吉は聞いてはくれなかった。
  さんざん背中を舐め回され、指で胸や尻を触られながら獄寺はイかされた。それでも肝心の箇所には、綱吉は触れてはくれなかった。前だってそうだ。触れてくれないことに焦れて、獄寺が自分の手で触って熱を解放するしかなかった。
  綱吉は意地悪だと獄寺は思う。
  シャマルに聞いて知っているのなら、どんなことをするのかはわかっていたはずだ。なのに、焦らすだけ焦らして自分からは決して触れてはくれないだなんて、あまりにも酷すぎる。
  込み上げてくる熱で昂った身体を獄寺は持て余すしかなかった。もどかしくて、たまらなくて、啜り泣きながら自分で竿を強く扱くと、綱吉の手が時折、それを遮った。獄寺の手の上に綱吉の手が重ねられ、耳元で優しく「駄目だよ」と囁かれれば、獄寺にはなすすべもない。ただ手を動かさないように硬くガチガチになった竿を握り込んだまま、おとなしく熱を堪えるばかりだ。
  身を捩って、背後の綱吉をちらりと見れば、彼はうっすらと微笑んでいた。満足そうな笑みを浮かべながら熱心に肌に触れてくる綱吉を見ると、獄寺も何も言うことができなくなる。
「ん……ぁっ」
  ヒク、と腰を揺らして逃げを打とうとすると、綱吉の手が腰を引き戻す。さっきからもう何度もそんなことを繰り返している。獄寺は甘い矯声をあげるとシーツを握りしめた。皺ができるほど強く掴むと、自らのほうへと引き寄せる。もう片方の手で握りこぶしを作ると、口元へと持っていく。
  切羽詰まった獄寺の様子に気付いているのか、いないのか。綱吉の手は獄寺を焦らすかのように、白い背中を這い回っている。
「も……ぅ、……」
  ヒクッ、と獄寺の喉が鳴った。
  翡翠色をした瞳には涙が滲んでいた。身体を捩って背後へと視線を向けると、ぼやけた視界の先に綱吉の顔が見える。
「じゅ、ぅだぃめ……」
  啜り泣きながらも獄寺は尻を高く上げた。腰をくねらせ、震えながら綱吉の目の前に後孔を曝け出す。
  滲む視界の先で、綱吉が尋ねた。
「欲しい?」
  欲情し、掠れた綱吉の声に、獄寺は全身の産毛が総毛立ちそうになった。
  コクコクと首をに振れば、それまで獄寺の肌を這い回っていた綱吉の手がぴたりと止まる。
「欲しっ……」
  口に出して望みを伝えた瞬間、尻たぶに綱吉の手がかかった。尻の肉を掴まれ、両開きにぐい、と引っ張られた。おそらく綱吉のほうからは後孔がはっきりと見えているだろう。
  綱吉は食い入るように獄寺の秘められた箇所を凝視している。それからゆっくりと顔を下ろしていった。
  ひたり、と獄寺の後孔に何かが触れた。
  指ではなく、もちろん綱吉の陰茎でもなく。ざりざりと襞の縁をこそげるように触れてきたかと思うと、さらに両側から指でぐい、と引っ張られる。襞の皮が伸びて緩んだ隙間に潜り込んできたのは、ざらついて生暖かい綱吉の舌だった。
  ぐちゅっ、ぐちゅっ、と湿った音を立てながら綱吉の舌は、後孔内を丁寧に舐め取っていく。
「やっ……あ、あぁ……っっ」
  ヒクン、と尻が跳ね、獄寺はシーツの上に突っ伏した。
  ポタポタと獄寺の竿の先から白濁が滴る。
「も、イく……イくから、ぁ……」
  ぞわぞわと身体の中から這い上がってくる快感に、獄寺は恐怖を感じた。
  好きな相手に触れられているというのに、何を怖れることがあるのだろう。
  目の前で自分に触れているのは、シャマルではない。骸でも雲雀でもなく、幼い頃から恋い焦がれていた綱吉だというのに、自分はいったい何に怯えているのだろう。
  シーツを汚した白濁に、綱吉は低く声を出して笑った。獄寺の身体の中で蠢いていた舌が呆気なく引き抜かれる。
「漏らしちゃった?」
  そう尋ねられ、獄寺は恥ずかしさに俯くことしかできなかった。
「先に進んでもいい? それとも、やめとこうか?」
  気遣わしげな綱吉の言葉にも、獄寺は答えられない。
  綱吉に抱かれたい。ずっとそう願ってきた。だが、望みが叶いそうになった途端に怖くなってしまうだなんて、思ってもいなかった。
「や……」
  やめないでください。そう、口に出して言えばいいだけなのに、その一言が出てこない。
  もぞ、と身を捩り、獄寺は綱吉を見た。
「十代目……」
  抱いて欲しい。だけど、怖くしないで欲しい。そんな自分勝手な想いを込めて綱吉を見つめる。 しばらくそうやって二人はじっと見つめ合っていた。



  どちらが先かと言うと、やはり綱吉のほうが早かった。獄寺の気持ちを汲んでか、彼は指をつぷりと襞の中心に突き立ててきた。節くれ立った固い指が獄寺の中を擦り上げる。
  好きな人の指が自分の中に挿入されているのだと思うと、獄寺の後孔は自然と締まり、きゅうきゅうと綱吉の指を締め付けた。
  シャマルの玩具とは何もかもが違っていた。
  長い指で綱吉は思うままに獄寺の中を擦ってきた。浅いところも、深いところも、どこに触れられても気持ちよかった。初めは一本だった指が二本に増え、三本になったこともはっきりと獄寺にはわかった。ゆらゆらと腰が揺れ、綱吉の指がいいところに当たるよう、獄寺は必死で腰を動かした。
  上体をベッドに沈め、シーツにしがみつきながら息も絶え絶えになって、それでも獄寺は腰を動かし続けた。綱吉の指が奥のほうをガリ、と爪の先で引っ掻くと、あられもない甘い声を上げた。
「じゅぅ……じゅ、だぃ…め……」
  ヒクッ、としゃくりあげると獄寺は、くしゃくしゃになったシーツを力の出ない指で手繰り寄せる。
  綱吉の、空いているほうの手が獄寺の腰から背をなぞり上げ、肩をするりと撫でる。その手がゆっくりと獄寺の頬の輪郭をなぞったかと思うと、うなじのあたりに綱吉の熱い吐息を感じた。
「獄寺くん、ごめん。すぐに終わらないかもしれない……」
  申し訳なさそうな綱吉の声に、獄寺は首を横に振る。
  期待していいのだろうか。最後までしてもらえるのだろうか、これは。
  獄寺は背後を振り返ると淡い笑みを浮かべた。
「……だいじょーぶっス」
  怖いことにかわりはないけれど、長年想いを奉げてきた相手のすることだ。少しぐらい痛かろうが怖かろうが、我慢できるはずだ。獄寺はそう腹を括った。
「大丈夫っス、十代目」
  もう一度そう返すと、綱吉の唇がありがとうと呟きながらうなじのあたりをさっと掠めていく。
  ヒッ、と声にならない声をあげると獄寺は首を竦めた。
  すぐに後孔に潜り込んだ綱吉の指が大きく中を擦り始めた。奥のほうに潜り込ませた指で、何かを探すようにゴリゴリと中を擦っていく。三本の指がバラバラに動くこともあれば、同じ個所を執拗に攻めることもある。時々、その指が獄寺の中から引き抜かれそうになる。ズルリ、と抜け出ていく感触に獄寺は大きく背を反らし、止めないでと甘い声をあげた。
  綱吉の丁寧な指使いのおかげだろうか、次第に獄寺の中ではぐちゅぐちゅとぬかるんだ音が大きくなってきた。
「濡れてきたね、獄寺くん」
  そう言われて獄寺は、初めて気が付いた。オメガとして自分の身体が綱吉に反応しているのだと思うと、少しだけ恥ずかしい。骸が誘発剤を用いたあの時とは、状況が全く異なる。自分から濡れることなど、あり得ないと思っていた。診察の時ですら、潤滑剤を使わなければならなかったというのに。
  綱吉の指がぐりっ、と中を擦り上げると、それに合わせて腰が揺らぐ。同時にぐちゅっ、と湿った音が足の間で響く。
「じゅ、ぅ……あのっ……」
  綱吉は気持ち悪くないのだろうか。自発的に濡れることなど、男ではありえない。オメガだからこそ、だ。
「甘い匂いがしてきたよ、獄寺くん。フェロモンも濃くなってるみたいだね」
  言いながら綱吉は、指を小刻みにバラバラと中で動かした。その不規則に与えられる快感に、獄寺の内壁がきゅぅぅっ、と指を締め付ける。
「ぁ……じゅ、だ……」
  獄寺はブルッと身体を大きく震わせた。
  綱吉の指が、名残惜しそうに中を擦りながら引き抜かれていく。
「ん、あぁ……」
  小さく呻きながら獄寺はシーツの上に転がった。
  ぐったりとなった獄寺の身体を綱吉は、そっと労わるように撫でてくる。嬉しかった。まるで恋人のように扱ってもらえることが幸せで、嬉しくてたまらない。獄寺は肩を撫でる綱吉の手に、自分の手を重ねる。ごつごつとした綱吉の指に自身の指を這わせると、ゆっくりと絡めていく。
  綱吉の顔が近付いてきた。
  チュ、と音を立てて指先にキスが落ちる。ついで舌が、悪戯っぽくペロリと指を舐め上げる。
「んっ……」
「インターバルは、終わりにしようか」
  指先がピクリとなったところで、綱吉の唇が耳元で囁いた。
  獄寺は身体の奥がきゅぅっ、となるのを感じた。触れられていない奥のほうが自然とヒクついて、何かを欲しがっている。はしたなく奥のほうから何かが溢れてくるのを感じて、獄寺は慌てて尻に力を入れた。中はしっとりと濡れていた。綱吉の指に触れられて、初めて獄寺はオメガとして自分の身体が濡れることを知った。
「十代目……」
  綱吉を呼ぶと、衣擦れの音がした。着ているものを脱いでいるのだとすぐに気付いた。
「十代目、あの……」
  本当に綱吉と肌を合わせるのだと思うと、心臓がドキドキとなった。いったいどこの小娘だと思わずにいられない。
「しーっ。獄寺くん、お喋りは後でね」
  そう言うと綱吉は、あっという間に着ていたものを脱ぎ捨て、獄寺に覆いかぶさってきた。



(2016.9.20)


INDEX

                                   8          10

11     12     13     14     15     16     17     18     19     20